日本経済新聞の記事でフードパンダが日本から撤退するという情報が入り、配達員登録している人にもサービス終了のメールが届きました。
日本経済新聞の詳しい記事はこちらをご覧ください。
フードパンダはデリバリーヒーローが運営するサービスなんだけど
カネ持っててもそりゃそうなるよね
って思ったことをまとめました。
ということで、2020年にフードパンダ配達員として稼働した僕がツイッター情報と配達員目線で撤退に陥った原因を考察していきます。
目次
撤退に陥ったのは配達員離れによる注文者離れ?
配達員がいなければ注文者に料理は届かない、もしくは大幅遅延する事になるので信用を作れないんですわ。
配達員が離れる理由と加盟店・注文者が離れる原因はコミットしてるので順番にまとめます。
配達員が離れる5つの理由
- シフトという働きにくさ
- お店での待ち時間の長さ
- アプリ不具合の多さ
- ライダーサポートの質の低さ
- 冤罪による配達員アカウント停止の多発
例えば、アプリのバグでシフトから追い出されてサポートに相談してもテンプレートで返信されるだけの扱いを受けることもありました。
これらは全て注文者へお届けする料理の遅延・配達不可に直結しています。
そしてお店がせっかく調理した料理は廃棄処分になり、全額保証されない始末。
結果的にお店と注文者が逃げていく形になりますよね。
配達員目線での解説ということで、配達員が離れる5つの理由をさらに詳しくまとめてます。
シフトという働きにくさ
まず簡単にフードパンダ配達員の働き方をまとめました。
週に1回ライダーアプリでフードパンダが募集した時間のシフトを配達員が選ぶような形です。
例えば

は〜いライダーのみなさん、シフト公開の時間ですよ。
来週月曜日は
8時〜10時で2名
8時〜13時で3名
11時〜17時1で1名
12時〜18時で2名
火曜日は・・・・
このような感じです。
配達員には配達実績によって1〜6のランクが設けられているんだけど、ランク1から順番にシフトを選んでいくことが出来る仕組み。
余ってるシフトがないと稼働できないので、ランクが6に近い人ほどシフトが取りにくいイメージで良いかと思います。
バイトのように
「店長〜!来週の火曜日と水曜日のシフトは18時〜21時に入りたいです〜」
ではございません。
それに加えて非常にクセが強いシフトでした。
- シフト制の働き方なのに報酬は1件ごとの歩合制
- 働きたくてもシフトが取れないことが多い
- バグでシフトから追い出されることがある(稼働不可)
バグに関しては後に解説するんだけど、簡単にまとめると
働きたい時間を選べない時給が発生しないシフト
このような認識で良いかと思います。
18時〜21時でシフト入ってくれたんだね〜!
でもあなたが商品売らないとお給料無いからね〜!
誰がこんなバイトやりたい?
そもそもシフトに入って限られた人数の配達員で殺到した時のオーダーを遅延なしで届けられるわけがありません。
お店での待ち時間の長さ
他社と共通してフードデリバリーのやりがいは、1件配達するごとに報酬がもらえて自分の頑張り次第で稼げることなんです。
なので、注文が無い待機時間やお店に到着した時の料理が出来る待ち時間は配達員にとって「無駄」でしかありません。
最近は少し改善されたと聞いたものの、やはりフードパンダに限っては配達員がお店での待ち時間が長くて20〜30分。
ひどい時は1時間近く待つこともありました。
加盟店さんから話を聞いたところ、配達員がお店に到着してからお店に注文が入るなんてことも。
デリバリーサービスにおいて注文者の待ち時間というのは
- 配達員がお店に向かう時間
- お店が調理する時間
- 配達員がお店から注文者宅に到着する時間
を含んでいます。
本来ならば配達員がお店に到着するまでに料理が完成していることがベストなんだけど、それすら改善する傾向が見られなかったというのが伺えます。
- 稼ぎたいけど稼げない配達員
- 料理が遅くてイライラする注文者
- オーダーが来てないのに配達員が先にお店に来るというサプライズ
誰も悪く無いのにライダー、加盟店、注文者が勝手に喧嘩しちゃうような環境でした。
アプリ不具合の多さ
フードパンダの働き方としてアプリ操作をまとめました。
- シフト時間になったらライダーは専用のアプリを立ち上げる
- オーダーが入れば着信音が鳴る
- オーダーを承諾したらお店へ向かい料理を受け取って注文者へ届ける
とてもシンプルに見えますが、実はバグが多くて配達員は困ってばかりでしたね。
記事の最初でも言いましたが、バグでオーダーの着信が鳴らずに拒否したと見なされる事態は最後の最後まで改善されることはありませんでした。
ちなみにフードパンダ稼働においてオーダーを拒否すると「承諾率」というライダーの数字が低下します。
承諾率が低下するとライダーの稼働に大きく影響するのは3つの要因があるのでまとめました。
- ライダーに設けられたランクが下がる
- 極端に下がるとアカウントが停止する
- ひどい時はシフトから強制的に追い出される
配達員の間では「サイレント」と呼ばれるバグで、サポートに問い合わせても軽くあしらわれるのでストレスを抱える配達員も多かった印象です。
配達員のアカウントが停止すると稼働すらできなくなるので実質クビのようなもの。
僕も配達員の経験があるから言えることなんだけど、アプリのバグでシフトから外されて稼働できなくなることもありました。
システムの調子が悪いだけで仕事がクビになるという運ゲー要素強めでしたね。
ライダーサポートの質の低さ
デリバリーヒーローではどのような人が働いているかわからないけど、ツイッターで配達員がみんな口を揃えて言ってました。
日本語を理解してくれない
僕ら配達員は何かあればメールでサポートに問い合わせをするんだけど、挙げ句の果てにはテンプレートで返信されて会話を強制終了させられます。
朝8時頃にオーダー取って配達先に向かおうとしてたら、注文者から「15時受け取り希望だったけど間違って注文してしまった」と連絡があり、サポートに伝えたら「15時受け取りなのにPに向かわれたのですか?」と言ってきたパンダは日本に向いてないのよ。 https://t.co/5g2wPCIYZl
— A太@飯を運んで飯を食うblog (@Ata_uber_kobe) December 23, 2021
人の言うことを聞く
のではなく
人の意見に耳を傾ける
これができないとビジネスで成功するわけがないでしょう。
冤罪による配達員アカウント停止の多発
露骨に武力行使で配達員に対応するような感じだと配達員が離れていくのは当然だよねって話です。
配達員が確保できない=配達員から嫌われている
フードパンダはこれをもう少し早く気づいて改善すべきだったように思います。
フードパンダ撤退後は他社デリバリーに配達員が流れる
2021年12月23日の地点で僕が知っているデリバリーは以下の7社になりました。
- 出前館
- ウーバーイーツ
- menu(メニュー)
- DIDIフード
- Wolt(ウォルト)
- チョンピー
- ドアダッシュ
フードパンダがなくなることで、配達員がいずれかのデリバリーサービスをメインに稼働する人が増えるかと思います。
そうなることで
- デリバリー各社で配達員の稼ぎが減る
- デリバリー社が配達員を確保しやすくなる
- 注文者が配達員とマッチングしやすくなる
- 配達員を確保したデリバリー社から報酬を下げていく
配達員にとっては悲しいような状況になっていくことが予想できます。
とりあえず、デリバリー絶対王者の出前館とUberで注文すれば遅かれ早かれ料理は届くし、配達員も出前館かUberをメインで稼働していれば生活費は稼げるかと思いますね。
まとめ
そんなわけで当ブログでフードパンダに関する記事はこれで最後です。
最後までお読み頂きありがとうございました。